第2章 結婚式日和。
「はぁーい、翔くん」
「メイクおわんないと挨拶行けないからさぁ…。あ、ニノ?ちゃんと社長にコールバックしてよ?じゃないとあの人あとあと面倒だからさぁ…。なんでニノだけあんな気に入られたかなぁ…。」
「わぁーーーーかった、わかった。もう翔さん喋りすぎ。」
「しょーくんってさぁ、めちゃくちゃ喋るよねぇ…。」
翔さんが若干ふて腐れながら俯いてる。
「んふふふふ、しょーくんかぁわいい…。」
大野さんがデレっとした顔で翔さんを見てる。
…やめろ、バカップル。
「あ、翔さん?コールバックはするけどさ、社長なんの用件なワケ?」
俺が尋ねると、翔さんがはぁっと深いため息。
「…ニノ、察して?」
「え…やだ。」
と、そこに、俺の電話が鳴る。
「…マジか…」
そこに表示されていたのは…、
「え?まちゅじゅんじゃん。早く出なよ。」
いつもの大野さんが言う、かみっかみのそのあだ名は、
俺の所属する事務所の社長、松本潤の名前である。
「あの人タイミングよすぎだろ…」
翔さんがはぁってため息をついて、俺を見つめた。
「出ろや」