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それはきっと、幻じゃない。【気象系BL小説】

第1章 まぼろし


ここまで、長いことかかった。


思ったより長く、潤くんが俺の手に入らなかった。



でも、今日ね…


今までの努力と、俺の泣きながら潤くんを突き飛ばすっていう迫真の演技でね…



やっとここまで来たんだよ…






「ごめん…ごめん…」


「ねぇ…っ、潤くんっ…」


「…ん?…」


ぎゅっと、俺を抱きしめる力が一段と強くなる。



「さっき言ったの…もっかい、言って…?」


「え?」



ぽわって赤くなる貴方の顔が愛おしい。




「ニノ…好きだよ…」



「足りない…」


「好き…」


「遅いよ…ばか…」


「ごめん…」



おでこをぴたってくっつけて、


二人の鼻が触れ合うくらい近い距離で…



囁くような声で…



愛を叫ぶんだ‥



「潤くん…愛してる…」



「俺も‥」




「もう、どこにもいかないでね…?」



「かずも、ね…」







「じゃないと、アノ人に失礼でしょ…?」


「へ?」


「『ヤツ』にさ。」




びっくりしすぎてガバッ!て音がつくくらい俺から離れて。


「うっわ、潤くん、雰囲気台無し!」


「いやいやいやいや…待って待って待って…」


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