第1章 まぼろし
正直、すべてを清算するのは面倒だった。
いや、面倒だっていうのは、語弊があるな。
時間がかかる、って思ったんだ。
ヤツは、そういう商売なんだし‥
何よりもう、向こうが会わない気なんだから‥
それは、大丈夫だろう。
ただ‥問題はいくつもあった。
それを解決していくまでの間‥
たまるもんは溜まるわけで‥
男の子だしね?
で‥
夜中、ニノの家に通った。
決して、悲しませるつもりなんてなかったんだ‥
でもさ‥よくよく考えたら、体目当て、みたいに見えるよねぇ‥
だから‥
あの日、写真を見せられて…
俺とオンナとの写真を見せられて…
『潤くんにとって、俺ってなんなの?』
って聞かれて…
ニノがないて…
やっと我に返ったんだ。
早いとこ、区切りつけなきゃって。