第1章 まぼろし
「そういやさ、今日の朝の翔ちゃん、やばかったよねー」
いい感じに酒も入ったところで、相葉さんがしれっと爆弾を落とす。
「なんか入ってきた時がやばかったよね。」
「そうそう。久々にあの空気見たわー」
…なんか知ってるのかな、この人。
「なんなんだろうね、あれ。なんか知らない?相葉さん。」
ちょっとカマをかけてみたりして。
ほぼほぼ釣れないだろうけど、何もしないよりはマシ。
「えー?多分あれはさ。それこそコレの話でしょ?」
そう言ってまた、相葉さんは小指を立てる。
「え…?そうなの?」
「うん、多分。まぁ、性別は違うみたいだけど…」
…どういうことだ…?
「え?」
「だから、オトコのコでやってんでしょ?」
…は?
「え?お前そんなにビックリすることじゃなくね?」
いや、ガッツリ驚いてます。
「ふぅん…え、潤くんも翔さんも、相手くらい居るんでしょうに。」
「なんか、本命には出来ないようなこと…やってるらしいよ?」
"本命にはできないこと"…?
「なに、そんなに変な性癖でもあんの?」
「さあ…ってかお前、興味津々?何なの?」
爆笑しながら相葉さんが、若干涙を流しつつ尋ねてきた。
って…
ハイ…色んな意味で興味津々です…
なんて言える訳ねぇだろっ!
「いや別にそういうk…」
「え何お前どっちかのこと好きとか?」
…図星…