第1章 まぼろし
正直”アレ”が気になって気になって仕方ないんだけども。
今日のところは仕方ない。さっさと相葉さんと退散しよ…
ってまだ、あいばか楽屋にすら帰ってきてねぇし。
俺もう、衣装返却し終わったぞ…
じゃあ、暇つぶしに。ここでニノちゃんプロファイルを。
・翔さんと潤くんが関わってる。
・大野さんは知らない。
・どうやら”相手”がいるらしい。おそらく人間。
・翔さんが不機嫌になるようなシロモノ
…いや、わかんねぇだろ。
相葉さん、なんか知らねぇかな…
「で?なんで最近お前、ぼぉーっとしてんの?」
相葉さんは、二人になった途端、俺を『お前』と呼び出す。
「うーん…なんでだろ…」
「なんか悩み事でもあんの?」
「ま、まぁ…あるっちゃあるけど…」
「へぇ。珍しい。」
「そうねぇ…なんか、上手くいかない気がすんのよ…」
「ふーん。何が?」
「…うーん…」
「何?コレ?」
相葉さんは小指を立ててきた。
「うーん…まぁそんな感じ…」
「ふぅん。でもお前だったら全然いけるっしょ?」
「いやぁ…それがそーでもないんだよなぁ。」
「へぇ。珍しい。」
「いろいろいっつもと勝手がちげぇの。」
「ふぅん。…違うタイプの子なの?」
「…うん。全然違う。」
チャラチャラしてそうに見えて生真面目で
アツそうに見えて実はクールだったりもして
抱き方は意外と乱暴だったりもして…
全然違うんだよ…
今までとは…ね。