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それはきっと、幻じゃない。【気象系BL小説】

第1章 まぼろし







潤くんが俺の膝枕で寝てる…





それは、想像以上に俺の隅々まで刺激して



くっきりとした顔立ちなのに


あどけない寝顔。


くぅくぅと寝息を立てる姿。


それに合わせて、胸板が上下している。



”かわいい…”


口に出せない想いが、頭をよぎる。



言っちゃいけないんだよな…




かわいい、なんてさ。





口が裂けても言えない…



みんなの前では、”メンバー”だから。




でも、なんなんだろ。




俺たち二人って、



一体どんな関係なんだろ…




ただ、何回かだけ間違っちゃっただけなのか。




それが、わからない。



ただ、今は。






今はこのぬくもりを、今は離したくない。


ただ、それだけなんだ。







潤くんが膝で眠っている、それは俺にとっては至福の時間で。


だから、時間が経つのなんてすぐだった。



みんなが来るだろう時間になって。


それでもまだ、気持ちよさそうに寝てる潤くんを起こすのは、なかなか気が引けて。





…でも、これをみんなに見せるわけにはいかないし。






「潤くん…?起きて…?」




「んん…」



そうだ、この人寝起き悪いんだった。



「潤くん…、みんな来ちゃうよ…?」


「う…うん…」


「起きて…?」


何かむにゃむにゃ言っているのが、愛しくて仕方ない。



これは、ずっと見ていたい景色。







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