第1章 12ヶ月の物語
"なぁ…俺…
お前をもっと好きになってもええ…?
お前は俺の全部受け止めきれんの…?"
そう俺を優しく見つめる目に
問いかけると…
あんは笑って頷いて
"受け止めるよ……すばるの全部……"
そう言って俺のことを抱きしめた…
その日初めて抱いたあんの体は
とても柔らかく俺の体に絡み付いて
もっともっと
そんな感情が溢れだして……
あほみたいに……
二人が触れあって発する熱で
溶けて混ざりあって
ひとつになれればええのに
そんなことを願ってしまう………
"愛してる………"
その日何度も囁いた
その言葉は
ちゃんとあんの耳に
届いてたんやろうか………………?