第1章 12ヶ月の物語
8ヶ月目~
この日俺はあんと初めてのケンカをした…
きっかけがどんなんやったか
どんな理由やったんかも
正直…よくわからん………(笑)
でもその時あんに言われた
"すばるなんか大嫌い……!"
そんな些細な一言が
痛すぎて
つい……
泣いてしまいそうになる……
そんな自分を見られたくなくて
背中を向けると
あんは俺の前に回り込み
俺の顔を覗き込んでくる……
まっすぐに俺を見つめる目に
"何…見てんねん!"
恥ずかしくなって下を向き
そう言った俺にあんは
"ごめんね………?
今の言葉は取り消すから……"
なんて
俺の頭を優しく撫でる………
"小さくても子供ちゃうからな…(笑)?"
そう言って笑いながら
顔を上げた俺が見たんは…
なぜか………
すごく悲しそうに泣いている
あんの顔で……
あんが流す涙の理由は
俺には分からんけど…
あんの涙を見てると
胸がぎゅっと捕まれたように
傷んで…
"ごめんな………?"
そう言って抱きしめた腕の中で
"私こそ…ごめんなさい……"
泣きながらあんは
そう呟いた………