第1章 12ヶ月の物語
6ヶ月目~
あんと付き合いだして半年がたっても
相変わらずあいつは
あんの左手に居座り続けてて
俺の隣で眠ってる
あんの左手をそっと握りしめて
"お前ええ加減手強すぎるやろ…
お前の弱点はどこやねん…?
こっそり俺に教えろよ…(笑)?"
そう呟いてみても
そいつはただ黙ったまま
あんの指に居座り続ける………
あんの口から俺が"好き"やと
言われてみたい……
あの日俺を選らんでくれた時から
1度も言われてないその言葉…
起こさないようにそっと
あんの唇に唇を重ねると
"ん……ま…る…山さん……"
あんは悲しそうに
俺じゃなく
丸の名前を呼ぶ
俺はそんなあんの唇に
もう一度唇を重ねて
"お前の彼氏は渋谷すばるやろ…?
間違えるな………?"
そうあんの耳元で囁いた………