第1章 12ヶ月の物語
あんと付き合いはじめて1ヶ月……
あんはいつからか
俺のことを
"すばる"そう呼ぶようになった(笑)
"何やねん…急に呼び捨てですか(笑)?"
そう笑って言うた俺にあいつは
"すばる"
もう一度楽しそうに
俺の名前を呼ぶ……
そんな呼ばれなれた自分の名前さえ
あんに呼ばれると
何かくすぐったくて
耳に心地よくて
なんか無性に嬉しくてなって
あんの体をぎゅっと
目一杯抱きしめた(笑)
好きなもんは好き
きらいなもんは嫌い
そんな至極単純な俺やけど
まだあんを抱くことが出来ずにいる……
こんなん俺らしくない
そう自分でも分かってるけど
あんに触れるだけで
いまだに心臓が爆発しそうなほど
暴れまわんのに
これ以上
あんを深く知って
これ以上
あんをもっと好きになってしまったら
自分が壊れてしまいそうで
怖くて仕方ないんや………