第1章 12ヶ月の物語
あんが俺を選んで
俺のとこに来てくれた次の日
俺は仕事場で会った丸に
"ごめんな丸…?
でも俺幸せやわ……"
そう声をかけた…
そんな俺に丸は
"うん…
すばるくんの顔みたら全部解るよ(笑)?"
なんて笑ってくれた…………
俺やったらきっと
笑うことさえ出来なさそうな
この状況でも
丸はいつもと変わらん笑顔を
俺に向けてくれる…
こんなええやつから
俺はあんを奪ったんやから
俺があんを
絶対に幸せにする
そうその時心に誓ったんを
今でも覚えてる…
それからの俺は
いつもいつも
あんのことばっかり考えてて
どうやったら笑ってくれるかとか…
どうやって"好き"って言わしたろとか
毎日が幸せな悩みに包まれてた
でもそんな幸せな日々の中で
どうしても触れられないことが1つ……
あんの左手に居座ってる
オレンジの石のついた指輪………
これは俺とその指輪との
一年間の闘いの物語…………