第1章 12ヶ月の物語
9ヶ月目~
仕事が忙しくて
なかなかあんに会えない日が続いてて
俺の中のイライラさんは
とっくに限界点をとっぱしていて…(笑)
"くそっ"
そう小声で呟いた俺に気付いたひなは
"何や…すばる欲求不満か(笑)?"
なんてまた…
遠慮なく聞いてくる(笑)
そんなひなに
"不満通り越して…
栄養失調やんか(笑)"
なんて笑ってたら
"ここんとこ忙しいからなぁ…(笑)
そのせいかなんか知らんけど
丸もかなと別れたらしいで…?
あんな仲良かったのになぁ…?"
そんな笑えない一言が
ひなな口から聞こえてくる…
ちらりと横目に丸の顔を見ると
丸は何もなかったかのように
笑ってて…
言葉が出てこない俺にひなは
"大丈夫か……?"
なんて心配そうな顔をする……………
なぁ…ひな………………?
俺が手に入れたはずの幸せは
ちゃんと俺の手の中にあるんやろうか…?
この目で見て安心したいけど
この手を開いた瞬間
何もかも
飛んでいってしまいそうで
俺は握ったまんまの手を
いつまでも開けずにいる…………