第2章 隠し事
「という事で、早瀬陽暮は人間離れした力を持っている。
絢都にはもちろん、多少の傷しかつけられなかったが…
武器があれば無敵だ。いいか、絢都…そいつと組め」
タタラさんが冷ややかな目をして絢都さんを見下ろした。
「あぁ?!俺が、人間と?!」
「あぁ、人間とだ。しかし、その人間にかすり傷だけでもつけられたのは、どこのどいつだ?」
「…チッ」
「コイツは、強い。それだけだ。・・・・
・・・・使えるぞ」
その日から、私は、喰種を隠して、人間を装っていた。
もちろん、私は、絢都さんとは違って中学に行ってるから家も皆とは違うトコロだし、ある意味、ラッキーだった。
その日の夜、アオギリの樹のアジトを出るときだった。
「おい、陽暮」
「?!あ、絢都さん?!」
「テメェ…中学はどこだ」
「え、あっ…聖塔中…です」
「…わかった。歳は」
「歳は、14です」
絢都さんは私につけられた傷を隠すようにおさえながら私と一度も目を合わせなかった。
「…年下か」
「絢都さんは?」
「…」
「あ、絢都さんに質問はダメなんでしたね…。ごめんなさい」
「15だ」
「ですよね…って、え?!な、なんで…答…」
「うるせぇ口だな」
そう言ってアジトに戻る絢都さんは
かっこよかった。