第1章 赤い雪
「あ、あの…絢都さん…ココ、どこ?」
「…人間に言うつもりはねぇ。さっきから黙れねェのか?」
「…」
「フッ…」
やっとついたと思えば、そこには何百人もいる中に堂々と立ち尽くす人も居た。
「タタラさん…コイツです」
タタラ…?タタラ…、え?!ちょっと…待って!!
ココってもしかして…
-『アオギリの樹』-?!
あの…喰種達がなんらかの目的で隻眼の王に続く…っていう…噂の?
喰種である私が知らないはずがなかった。
昔から、少し興味はあった。
〝隻眼の王〟…会ってみたかったんだ。ほんの少し。
私と同じ隻眼だから…世の中では彼だけが隻眼と知れ渡っているけれど…私が隻眼だってことは、この14年間バレていない。
でも…この組織に関わってしまった以上、もう一人隻眼がいる。そう噂されるのも…捜査官に知れ渡るのも
時間の問題だ。
隠さなきゃ…全力で。お父さんみたいには、死ねない。
たとえ、喰種同士でも…私も隻眼だってことは…しられちゃぁ…お父さんと一緒の人生…だから。