• テキストサイズ

赤い右眼 【東京喰種】

第5章 捨てるもの


私はその日から
  彼を受け入れた-喰種を-

☪48時間後☪

「え…麗來?」
「だから…私はあなたを受け入れる」
彼はただただ怯えた様子で震える右手を左手でおさえていた。
「どうして怯えるの。」
「だって…そんなの…嘘に決まってる…」
彼はただ目をうるわせて俯いた。

真冬の冷え切った手のひらで彼の頬をそっと撫でた。

「…大丈夫。私は…もうイヤなの」
「いや…?」
「もう…大切な人を自分のこの手で失うのはイヤなの」
自然と涙が頬を伝った。

「麗來…。もしかして今までに何か…」
「親友が喰種だった。」

「…っ…」
彼の頬は暖かく涙を流したのか少し濡れていた。
「私は…喰種だと知った親友をためらわず殺した。
  それが正義だと思った。でも違った…。」
止まることなく溢れてくる涙は彼の涙も連れてきた。

「私が世界を変える…。
   人間も、喰種も…守ってみせる」

彼の頬を撫でる手に力が入る。
彼は温かい手で私の冷たい手の力を吸い取るようにしてさすった。


「…ありがとう…」
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp