第4章 利世の少年
「…、り…ぜ…?」
鉄骨のしたで足掻きまくる利世。
「アァ…ッ…なんで…あ………たッ…が…」
「…嘘…利世…っ」
利世は、死ぬの?
*゛*゛*゛
「陽暮、おそかったじゃねぇ-か」
絢都くんが仁王立ちで待っていた。
「いろいろ…あって」
バンッ
私の頬を拳で殴られた。
絢都くんは冷静な顔をして私を見下した。
「人間のてめぇが口答えすんじゃねぇよぉ…!!」
「…ごめんなさい」
私は立ち上がって、自分の部屋に戻った。
-人間のてめぇ…-
人間じゃないことを、喰種であることを黙っている自分に罪悪感を感じた。
大きな窓から満月が見えた。
「利世…」
どうしようか…絢都くんに利世が死ぬかもしれないコトを言ったほうがいいの?
!!だめだ!!何言ってるの!!
そんなコトいったら喰種だって、バレてしまう!
…そういえば、どうして私は人間を装っているの…
冷静になって考え直す。
しかし、これが正しいと思い返した。
アオギリにいる私が喰種だとバレれば戦いにも参戦させられる。
それだけはごめんだ…殺したいわけじゃないんだ…
それに、いつかはきっとアオギリを裏切る。
早く、このアジトから出たい。
裏切ったときに、捜査官にばらされるのかもしれない。
喰種だと知られれば徹底的に探されるだろう。
隻眼なのだから…
だから正しい…はずだ。
「おい、出てこい」
「…絢都くん?」