第4章 利世の少年
学校帰り、私は参考書を買いに行き、そこから少し遠いアオギリのアジトを目指すべき、駅へ向かっていた。
「----…だなんて!!!」
ん...この声、聞き覚えあるな
そう思って、暗い人通りの少ない路地に出て、あたりを見渡した。
しばらくすると足音が近づき、反射的に壁に隠れ、足音を待った。
「はぁっ…はぁっ…!!」
知らない地味な男が懸命に走っていた。
逃げるように。
通り過ぎたとき、壁から離れ路地の真ん中で逃げ惑う彼の姿を見つめた。
ドンッ...
「あっ、すみませ…え…り、利世?」
利世は赫子をむき出しにして私を睨んだ。
「邪魔よ」
「あんたもしかして...さっきのやつを!」
利世は無視して私を通り過ぎ彼を追っていった。
「利世!!」