第3章 彼らの心
「ちがうさ…人間が反抗してこなけりゃ…喰種は死体しか喰わないよ…」
「でもっ・・・喰種は人間を殺す!!生きてる人も!!」
グッと赫子が迫った。
彼の涙はいつしか止まって…無表情だった。
「あぁ…そうだな。でも…言ったとおり、人間が反抗しなけりゃ…死体で充分だよ…。それを反抗してくるから、道を踏み外す喰種がいる。生きてる人を殺すね…」
「踏み外さないように見張ってろよ!!それに…反抗せず…どうしろっつーんだよ!!」
「同じ目線で…解決して欲しかった…。人間の肉以外に喰べれるものはないか…。それを研究してくれればいい…。なのに、俺らを殺す捜査官を産みだしやがった…」
「そんなの…無理よ。殺すしかないの…」
「じゃぁ…せめて殺すのは踏み外したやつだけでいいだろ…。人間を狩らない喰種だっていんだ…!!なのに…なんでそいつらまで人殺しと言われ、怪物と言われ、てめぇらに殺されなきゃなんねんだよぉぉぉぉおぉぉぉ!!」
私は…彼の叫び声に震えた。
彼の言ってることは…間違ってないんじゃないのか…