第3章 彼らの心
「そんなの…そんなの知るか!!人間の命を奪う…食糧にする方が悪い!!そうにきまってんだろぉぉぉ!!」
私はクインケを抜いて彼の赫子を刺した。
彼の赫子は羽赫だと今更気づく。
左の羽赫で私は吹っ飛ばされる。
「うぁっ・・・」
「捜査官は…棚上げか…?」
「ざっけんな・・・ざっけんな…ほざいてんじゃねぇーよ!」
そういえば…こんな暴言はくのはいつぶりだろう?
荒れた、高校以来?
(身体が…痺れる…殺される…死ぬ)
彼は飛んで来た。止まらず流れる涙で赤い瞳さえも綺麗に映る。
彼は私の襟を掴んでグッと引っ張った。
数センチ距離の彼との顔の横に彼の赫子が覗いている。
少しでも下手なマネをすればその赫子で殺される。
彼の能力は…ズバ抜けている。
「喰種だって…人間に命を奪われた。俺の親もそうだった…。妹も…。麗來…もしお前が喰種なら…どうやって生きる?」
私が…喰種だったら…?
「そんなの…知らないわよ…。喰種にも命があることは分かった。でも…この世界が残酷なのは喰種のせいでしょ…」
「違う」
即答だった。