• テキストサイズ

赤い右眼 【東京喰種】

第3章 彼らの心


「どうして・・・それを」
嘘がバレる瞬間というのは怖かった。
彼の悲しい目と怒る目・・・呆れた目…全てが微笑みの裏に隠されていた。

「わかるよ。だって、好きだったから。でも、それを知った瞬間、俺は…なおさら麗來とは恋をしちゃいけねーんだって思った…」

…どういうこと?わけわからな…、…!!
もしかして…!!

「まさか…!!」
私は力が抜けた足で一歩下がり、
クインケの入った鞄を握り締めた。

平紫君はふと笑って瞼を閉じ…

 再び開きいつものように…微笑んだ、赤い瞳で。


「あぁ…喰種だ」
「嘘…だ…。嘘って言ってよ…嘘なんでしょう…?」
真っ赤に腫れた目で彼を睨んだ。

「嘘じゃない…。喰種だっていうことも…
 麗來が好きな事も」

彼は見たことのないような目つきで私を睨んだ。

「もしも、麗來が…捜査官として俺を殺すというなら…
 俺も…麗來を殺す…ッ…くっ……うっ…」

「そんな…ッ…」

「お前は、捜査官だ…ッ。でも俺だって…喰種だ!!
 それに…俺だって…ッ…うっ…生きてぇよ…」

ズキ-…

〝生きてぇよ…〟

私だって…この世界を守らなきゃいけないの…。
捜査官なの…。

私は鞄を開けてクインケを取り出した。

「人間だって…生きたいのよ!!
 だか…ら…私達が…あんたらを殺さなきゃ…ダメなのぉぉぉぉっっ!!」
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp