第19章 黄瀬涼太 【R18】
従順にカタチをかえる乳房を、手で、舌で愛撫しながら、音を奏でるように肌を這う指が、迷うことなく下半身を目指す。
「……結」
「ぁ……涼、太」
シーツを乱す白い足を割っただけで、耳に届く粘着質な音に、最大値だと思っていた昂りが、さらに質量を増してドクドクと脈打つ。
「足」
たったひと言なのに、察しのいい恋人は次に何を求められているのかを悟り、覚悟を決めたように目を閉じた。
「ゆうべは許してあげたけど、今日は……ムリ、っスよ」
熱を帯びる部屋に響くのは、カチャカチャとベルトを外す金属音と、ふたつの熱い息づかい。
身につけるだけで極上のアイテムに変身する細身のデニムをもどかしげに脱ぎ去ると、黄瀬はオアシスを見つけた獣のように、乾いた唇をペロリと舐めた。
「っ、ん、やぁ……っ」
「足、とじないで……もっと、ひらいて」
オーラルセックスにはずいぶん慣れてきたとはいえ、「する方」より「される方」が苦手な恋人を、思う存分味わえる夜はそう多くはない。
日付が変わるのを待ちきれず、『っ、フライングです!』と毛を逆立てるネコをソファに押し倒した昨夜は、照明のせいで拒まれてしまったのだから。
もう彼女のカラダで知らないところはないのに。
「舐めても舐めても、どんどん溢れて……おまけに今日は、ハッ、すげぇ……甘い」
「ひゃ、あぁっ……ん、ンっ」
湧きだす蜜を啜り、うっすらとした茂みにひそむ花芯を吸いあげると、背中を反らせ絶頂を迎える姿に、もっと乱れさせてみたいという欲は止まらない。
「ハ、イク時の可愛い声……もっと、聴かせてよ。もっと、もっと……」
「ま、って……今、まだ、ひ……ぁ、っん」
ぐっしょりと濡れた口許を手の甲でぬぐうと、黄瀬は暗がりの中でテラテラと光る花びらの奥に指を押しこんだ。
「ぁあ、あ……っ!」
「結のココ、物欲しそうにヒクついて、ほら……飲みこんでく」
「んン……ふ、ぅ」
「う、わ。根元まで……ハ、うまそうに咥えちゃって……オレの指、そんなにスキ?」
「ゃ、あん!」
くちゅり、とわざと音をたてながら掻きまわし、増やした指で快感のポイントを押しあげると、声にならない嬌声をあげてシーツの上で乱れるカラダを見下ろしながら、黄瀬は苦しげに眉根を寄せた。