学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第2章 聖夜のシンデレラ(*)
肺の酸素を吐き切るほど、ゆっくり長く息を吐いて迫り上がる波をどうにかやり過ごした
同時に動きも止めていたため、セナも徐々に深く呼吸を繰り返し力が抜けてゆく
「ぁ、はぁっ…ろぉ、っん」
受け入れたまま、どうにか腕を伸ばしてその逞しい首元に絡めようとする姿がいじらしく口元に笑みを浮かべた
上体をゆっくり屈めて腕の届くよう距離を縮める
しかし伸びていた腕は空を切るように揺れて、首元を捉えられない
何故なら上体を屈めた際に、より深くロー自身が穿たれる体勢になってしまったからだった
「ンン…ッあ、ヒッ…ふか、ぃ…よぉ」
喉を引きつらせながら、子宮に直接感じる熱量と拍動に意識が白んでゆく気がする
どこか焦点の合っていない、恍惚と蕩けた瞳がローを捉えた
「おね、が…い」
「?何を」
「ローを、刻みつけて…もう、貴方を忘れたく…ない」
熱に浮かされて潤んでいた瞳が、悲しみの色を湛えて涙を流す
指先がローの頰を掠めた
「痛みでも、苦しみでも…ローなら、いいから」
「何言ってやがる」
「めちゃくちゃに壊して、貴方しか分からなくなるなら…強く、抱いてほしい」
「…ッバカが」
頰を掠めた指を掴み引き寄せると、腕の中に小さな身体を抱き締める
結果引き起こしたセナの上体がローの上に乗るように座位の体勢となった
後頭部を引き寄せたセナからは、止めどなく涙が溢れてローの肩を濡らす
我慢しきれない嗚咽が小さく聞こえると、膝裏に添えていた手を背中に回し落ち着くまでさすり続けた
「忘れさせねェよ」
「ん、」
「お前の身体も記憶も命も全て…一生俺が守ってやる」
「…ッ」
何度目かの大粒の涙を流し、しゃくり上げるセナ
全身に広がるローの温もりと、彼の決意の言葉に心まで温かくなってゆくのがわかる
暫くして、ようやく落ち着きを取り戻したセナは小さくスンスンと鼻を鳴らしながら上目遣いにローを見上げた
視線を感じ、目線を下げたローと目が合う
「泣き止んだか」
「ん、ありがと…ね」
「なら、そろそろ」
「へ、ぇっ?!や、ちょ…待っ、待って!」
対面座位のまま、ゆらゆらとローが腰を揺らせば深く深くロー自身が埋まってゆくのが分かりセナは思わず腰を引こうとする
が、いつの間に背中から腰に添えられていた腕が逃がれることを許すはずもなく