• テキストサイズ

学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第2章 聖夜のシンデレラ(*)


「手ェ退けろ」
「やっ、電気…消し、て」
「今更だろうが」

確かに外が明るい時間に身体を重ねたことだって何度もある
部屋の明かりを点けたままだったことも、それは数えきれないほどだ

けれど何故だろう、今更なのだがすごく恥ずかしい
少しだけ積極的になったことか、先を強請ったことか…目の前のローが獣のように瞳をギラつかせているからか

より一層身を隠すように、少しだけ背を丸めたことにより
空いた隙間に潜り込んできた長い指が背筋をなぞり上げた

「っひぃ、?!」
「お前は背中も弱かったな」
「やめ、ふぁあ…」

指の次は唇が添えられ、少し荒い吐息にもゾクリと感じてしまう
そのままキスの雨が背中全体に降り注ぎ、背骨に沿って時折舌が這いあがる

肩や脇腹には何度も吸い付き、紅い痕を残してゆく
震えながら赤く染まってゆく背中を見て、ローは満足そうに笑みを浮かべた

「これじゃァ人前で脱げねェなァ」
「!!」
「まァ、今さら隠す理由もねェだろ」

どうせセナが入学した当初から、2人の仲は全校生徒及び教師に周知されている。ローがそうしたからなのだが

「そういう問題じゃない…ッ!」

知られていようが知られていまいが、問題はそこではない
情交の跡を他人に見られることこそが問題である

そもそも相手を知られている方が、なんだか周囲の目が生々しい気がするのは気のせいではないはずだ

「なら」
「へっ?!」

背後に回っていたローが戻ってきたかと思うと、視界が反転し逞しく鍛え上げられた腹の上に跨るように乗せられる

「お前も俺に付ければ問題ねェだろ」
「な、なにを」
「キスマーク」

跨ったまま、ぐいと上体を引き寄せられるとバランスを崩して倒れ込む形になってしまった
慌てて起き上がろうとするが、背中に添えられた腕が許してはくれない

「無理だって!」
「付け方知らねェのか」
「知ってるけど…!」

『知ってるのか』

自分で答えを誘導しておきながら、予想外の返答に思わずムッとした
春に付き合い始めてから今まで、セナに付けたキスマークは数知れず
だが自分は一度も彼女にキスマークを付けられたことがないことに思い当たる

「知ってるなら、付けてみろ」

ほら、と自分の鎖骨辺りを指差してみせる
しかしセナは腕の中で動く気配がない

『まさか、付けたくねェのか…?』
/ 176ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp