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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第1章 10/31の文化祭(*)


「んあっ?!」

伸ばして掴んだ先がクッションだったので、ルフィの意地に火がついてしまう
そもそも安眠を妨害された時点で、たいぶ機嫌が悪いのだ

「ゴムゴムの…!」
「"ROOM"…ー」

お互いが今にも技を繰り出そうと構えている
慌てて制止の声をかけた

「2人ともダメだってば!!」
「止めるなセナ」
「そうだぞ、俺はトラ男からお前を奪い返さなきゃいけねェんだ」
「だからセナは俺の女だっ」
「それは知ってるけどよ、でも膝枕は譲れねェ。俺のモンだ」
「膝枕なんざ許すわけねェだろ!例え髪の毛の一本でも、アイツは渡さねェ…」

今にも技を繰り出しそうなのに、会話の内容は至ってどうでもいい内容なので聞いていて呆れてしまう

「お疲れ様ーっす、って何してンすか!?」

呑気に入ってきたペンギンが、一見ただならぬ雰囲気にビビって後ずさった

「お前は関係ねェ…これは俺と、麦わら屋の戦いだ」
「いやいやアンタら!ここで技出したら、生徒会室ぶっ飛びますよ?!とくに麦わらの技禁止!」
「なんでだよ!」
「ペンギン、少し黙っていろ。…"ROOM"」

スッと手をかざすと、薄青い半円のドームがペンギンを包んだ
すると、再び生徒会室の扉が開く

「なに騒いでんですかぁ、外まで聞こえてま、す…」

半円のドームの範囲からペンギンが何事もなく抜け出した時、入れ替わるようにシャチが入ってきてしまった

「"アンピュテート"」
「えええっ?!ちょ、なんっギャアアア!」

見るも無惨にいくつもの肉片となってしまったシャチは、訳もわからず呆然としている
セナは何度見ても慣れない光景に目を塞いだ

「相変わらずスゲーな、トラ男の技」

ルフィは近くに転がっていたシャチの右腕を持ち上げてマジマジと見上げている
シャチの頭部がぎょっとして、持たれた腕がバタバタと動いた

「麦わら、変なことするなよ?!」
「人間って美味いのかな」
「ほら!やめて、まじやめて!腕を返せッ」
「しししっ、冗談だ!」

慌てふためく様子にルフィは悪戯っぽく笑いながら、手際よくシャチを組み立てていたペンギンに最後の腕を渡す

「ふー戻った」
「シャチ…もう大丈夫?」
「おー悪い悪い。もう大丈夫だぞー!」

目元を塞いでいた手をセナは恐る恐る退けると、いつも通りの幼馴染の姿に安堵の息を吐いた
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