学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第2章 聖夜のシンデレラ(*)
言葉を交わさずとも、常にお互いはお互いの存在を認めている。お互いを想い合っていた
だからこそローはローなりに、セナはセナなりに
相手を想う気持ちが行動を起こさせた
それなのにどうしてだろう、不器用すぎる2人はお互いにその事実を知り得ない
結果周囲で見ている人間たちの方が、いやにヤキモキするばかりだった
それでも、運命は2人を引きつけ合う
「けど、私たちは仲直りしたんですよね?」
「あぁそれが…たまたま俺が買い物を頼んだセナちゃんが、街で野郎どもに絡まれてしまったんだ」
それも運悪く、血の気の多そうな学園の生徒の集団だった
彼らは生徒会長のローが怖いため、普段は息を潜めているのだが
街中を1人で歩いていたセナを見つけてこれ幸いに、ローへの日頃の恨みと密かな下心で路地裏へと連れ込んだ
抵抗するセナを押さえ込み、殴って大人しくさせると馬乗りになり着ていたシャツを乱暴に引き裂いた
押さえていた男がインナーをたくし上げ、下着ごと胸の形が変わるくらいに強く掴む
反対側を押さえる男は胸を掴んだ指の隙間から見える突起を口に含み執拗な舌で転がした
馬乗りの男はいやらしく下卑た笑いを浮かべ、スカートの中に手を潜り込ませれば全く濡れていない秘所へと指を突き立て無理やり暴こうとする
人気のない路地裏で恐怖と嫌悪感にセナは涙を流しながら、絶望感に目をキツく閉じた
刹那ー
身体に掛かっていたすべての負荷が、一瞬にして消え去り何事かと、薄っすら目を開ける
と、そこには信じられない光景が広がっていた
「奇跡に近い偶然だった。急遽風紀に取り締まりの応援を頼まれていたローが、渡されたチェックリストに載っている生徒の1人が路地裏へと消えていくのを見つけて後を追ったらしい。そこで乱暴されて組み敷かれているセナちゃんを見つけたってわけさ」
正直面倒なので何度も断っていたのだが、どうしても人手が足らないと珍しく風紀委員のキッドが頭を下げてきたため
別にセナの親友の頼みだからと懐柔されたわけではないが…本当にただの気まぐれで参加した
渡されたリストの生徒たちは、普段からなにかとローを良く思っていないような雰囲気があったので顔は覚えている
「じゃあ…その時、ローが取り締まりに参加してなかったりしたら…」