学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第1章 10/31の文化祭(*)
「私たちのクラスは、何するんだっけ?」
生徒会の仕事ばかり優先してしまっていたので、すっかり自分のクラスの出し物のことを忘れていた
文化祭実行委員であるナミに聞きにいくと、小悪魔のような笑みを浮かべて肩をガッシリ掴まれる
「この文化祭、賭けてるのよ」
「う、うん…」
「展示・出し物・模擬店…各部門の一位に輝いたクラスには、賞金なんと50万ベリー!」
「ええっ?!」
「更に校内一位に選ばれると、プラス100万ベリーよ!」
心なしかナミの瞳がベリーになってるように見えてきた…商売っ気が強いのだろうか、お金の事には何かと関わっていたような
それにしても、たかが高校生の文化祭で…そんな大金をチラつかせるとは…相変わらずこの学園なさることは分からない
「そこで、是非セナには協力してもらいたいの」
「私に出来ることなら、なんでもするよ!」
「じゃあ、私たちのクラスはカフェやるから。ウェイトレスやってくれるかしら」
何を言われるのかと思えば、意外と普通の要望だったので緊張して構えていたのが恥ずかしい
しかしナミは笑顔を浮かべたまま有無を言わさない雰囲気でグググッと肩に力を込めてくる
「ちゃんと…やる、よ?」
「後で嫌だって言っても、キャンセル無効だから」
「模擬店のウェイトレスでしょ?大丈夫だってば、生徒会は出し物しないし、ちゃんとやるから」
たかだか文化祭の模擬店で…そんなに女子のウェイトレスの人員は少ないのだろうか
「ならいいの、宜しくね。衣装はバッチリ用意するから!」
「うん、楽しみにしてる!」
「やっぱり持つべきものは友達だわ!」
ナミはバチンッとウインクをして、上機嫌に頭をわしゃわしゃと撫でてきた
「ちょっと!髪ボサボサ!」
「あははは、ごめんごめん」
申し訳なさそうに笑いながら手櫛で髪を直してくれる
それだけで、なんだか許してしまう不思議な気持ちだ
「そういえば、トラ男たちのクラスは何をするか知ってる?」
「たしかハロウィンをイメージしたお化け屋敷だったかな」
ちょうど文化祭のある日は10/31
世間はハロウィンで賑わうことだろう
そして多分、ハロウィンに乗じてローやキッドに仮装をさせたい女子たちが勝ったのだ
「ルフィたちのライバルね…まぁいいわ、模擬店部門じゃないなら問題じゃないか」
「確かルフィたちもお化け屋敷なんだっけ」