学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第2章 聖夜のシンデレラ(*)
「あの、一つ聞きたいんですけど」
「はい?」
「私は本当に、ロ…あなたのお兄さんとお付き合いしてましたか?」
実の妹に聞くのもおかしな内容だとは思うが、ローからは明確な答えが得られなかったのだ
不思議そうに首を傾げたラミが、しばらく悩んだ後に口を開く
「兄は少し不器用なんですけど」
「?」
「セナさんのことが本当に大好きで。大事にしてるんですよ」
2人並んだ光景を思い描いているのか、ラミは目を細めて柔らかく微笑むとそう答えた
ローとセナの間に何があったのかは分からない、けれどこれが今セナの求めている答えだと感じる
「そうですか…」
それが正解だったかのように、セナは少し安堵の表情を浮かべた
決して本人は意識していないのだが
「でももし、お兄様にイジメられたら遠慮なく言ってください!私はセナさんの味方ですから」
「ふふ、ありがとうございます。心強い味方です」
グッと力こぶを作るポーズで息巻いたラミに、思わず笑みが零れる
「あれ、セナにラミちゃん何してんだ?」
トイレに出てきたらしいシャチが、玄関に居る2人に気付いて声を掛けてきた
「あ、っと…ペン「シャチな」
「ふふふ、シャチさんもペンギンさんみたいな帽子被れば?」
「ラミちゃんまでそれ言う?!さっき散々おじさんとおばさんにも言われたんだけど…」
「みんなそう思ってるんですよ」
「あの…ご、ごめんなさい」
「あーいいって!落ち込むなよ。また会長に怒られる」
名前を間違えたことに落ち込んで俯いてしまったセナに、慌てて顔を上げるように促す
こんなところをローに見られたら、シャチはバラバラにされかねない
「いつも怒られてるんですか?」
「いやいつもじゃねーけど。いや、いつもか」
「?」
「あの人、お前に関わる人間が全員敵だからなー」
「え、ええっ?それはどういう…」
「見てるこっちが恥ずかしいくらい、セナのこと溺愛してるのが会長なんだって」
「ペンギンっ」
「だからいらん事言いのシャチくんは、すーぐ会長にバラされるんだよな」
玄関の声を聞きつけて、奥の部屋から出てきたのはペンギン
シャチの肩を組んで、頬っぺたをツンツンとつつく
「うるせー!お前も同じくらいバラされてんだろ!」
「お前よりは少ねぇよ」
「なにおう?!」