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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第2章 聖夜のシンデレラ(*)


「なんだいきなり」
「いえ、どうして私だったのかなって…」

先ほどみんなの前で言われたことが、セナは未だ信じられない
自分がローに釣り合うとは、にわかに信じがたいのだ

「さっきから」
「?はい」
「"付き合っていた""私だった"と過去形になってるが、お前は俺のモノであることに変わりはねェ」
「はぁ」
「例え記憶があろうが無かろうが、お前は俺だけを見ていればいい」

ローはフッと不敵に笑むと、肩まで伸びているセナの栗色の髪を優しく撫でる
するとセナが思わずくすぐったさに、微かに身をよじらせ声を上げた

「んぅ、っ」
「誘ってんのか」
「?!っち、違います」

冗談混じりに言っただけで、顔を真っ赤にして睨んでくる

「そういう顔は…男を煽るだけだと何度言えば」
「へ、っきゃあ!」

顎に添えたままだった手を離し、強く肩を押せば身構えていなかった身体はいとも簡単にベッドへと倒れた
そのまま顔の両側に手をついて、ローは覆いかぶさるような体勢になる

「何度もって、言われましても」

確かに何度も言っているのだろうが、それは記憶があればの話
今のセナには、ローに関わる一切の記憶が抜け落ちているのだ

「敬語もやめろ」
「…さっきから」
「あ?」
「さっきから命令ばっかり。私あなたみたいな人と付き合ったりしません!好きにも、なりませんから!」

セナはするりとベッドから抜け出し、ドアに手をかける
そしてローを振り返ることもなく、部屋を出ていってしまった

「……、」

1人自室に取り残されたローは、腕の力を抜いてベッドに突っ伏す

「…誰が逃すか」

吐き出された言葉は、虚しく空間に消えていった
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「セナさん?」

二階からの階段を降りて、家を出ようとしたところで声をかけられる
振り返れば、確かローの妹と言っていた女の子が立っていた

「どちらへ?」
「あー…家に、帰ろうかなって。お世話になるのも、悪いですし」

記憶がいつ戻るかも分からない状況で、他人の家の世話になるわけにはいかない
例え医者の家庭であっても

「?お兄様と、なにかあったんですか」
「…どうしてそう思うんですか?」

「だってセナさん…悲しそう」
「ッ…」

実はローの部屋を出てから、理由は分からないが胸の奥が締め付けられる
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