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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第2章 聖夜のシンデレラ(*)


「ちょっともう!そんなことでいちいち怒らないでよ」
「そんなことじゃねェ」

その後なんとかローの怒りを宥め、シャチをバラバラにされるのは阻止したのだが
セナの言葉に、未だ納得がいっていないローは低く唸るように言葉を吐いた

「お前は自覚がなさすぎなんだよ」
「あのね、こんな私を好きなの…ローくらいだからね?」
「…どの口が言ってんだ」

付き合い始めてから何度、他の男に手出しされているか自覚がないのだろうか
無自覚にもほどがある。だからこっちがこんなにヤキモキしなければならない

それはセナと出会うまで、微塵も感じたことなどなかった感情ばかり


「だって私はこんなにローが好きなのに、なんでそんなに不安になるかなぁ」

先ほどまで不安や怒りでささくれ立っていた心が、それだけの言葉で丸く穏やかになる
これもまた、出会うまでは感じなかったこと…だから、セナを手離せない

まず手離す気など、微塵もないのだが


「惚気かよ」
「羨ましくなんてねーからな」

ペンギンとシャチが机に顎を乗せて恨めしげな顔で、ブーブーと文句を垂れている
そんな2人をポンポンとあやすように頭を叩いて、セナが立ち上がった

「可哀想な2人にはおっきなケーキあげるから」
「「ガキかよ!!」」
「ローも、おかわりいる?」
「ああ、俺も行く」

このとき、自分の意見を押し通してついて行けばよかったと
いまだ後悔は押し寄せる


「大丈夫だって。ローは心配性なんだから」

心配性だと、笑いながら出ていった後姿を何故俺は見送ったのか
傍に居れば、その手を掴んでやれたはずなのに


後悔先に立たず、とはまさしくこのこと


「仕方ねェ、勉強見てや」

ガターンッ

「?!なんの音だ?!」

階段の方で大きな物音がして、全員が慌てて立ち上がる
シャチが急いで部屋のドアを開けるとペンギンが心配そうに顔を出す

「セナ、大丈夫…か」

バタバタバタ

それはまるでスローモーションのように3人の目に映った
声を掛けたペンギンにも、すぐ後ろに続いていたローにもシャチにも



ドサッ…

「「ッツ…!」」

「セナッ!!!」


3人が見た光景は、宙に浮いたセナの身体が一瞬で階段を転がり落ちていく様
壁にぶつかり止まったのを合図に、ローが声を上げた
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