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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第2章 聖夜のシンデレラ(*)


「あのねぇ」
「そーそー、糖分補給も大事ッスよね」
「今日のケーキも美味いし、これでまた勉強頑張れそうだよなー!」

シャチもペンギンも、ケーキを口に放り込みローに合わせるように頷いた
調子のいい2人に、セナは肩を竦めて溜め息を吐く

「ほんっと調子いいんだから」

しかし自分の性格を分かった上で、2人の幼馴染がローの肩を持ったことは分かっているから強くは言い返せない
これ以上やり取りを続けていれば、いずれ口喧嘩に発展していたかもしれないのだ

一度思ったことを、後先考えずに発してしまう自分の悪い癖を分かってはいる
いつだって言葉にした後に、余計な言葉だと気付くが

『後悔は先に立たないのよねぇ』

ローも歯に衣着せぬ物言いをする性格なので、つい小さなことでお互いの意見がぶつかり合ってしまうことがある
更にお互い負けん気が強いためか、一歩も譲らない
そのため険悪なムードになることも、しばしば…

周りに知った人間がいるときは、その状況をさり気なく止めてくれる
先ほどの2人のように

「なぁ」

シャチがトントンとテーブルを叩いて呼びかけてきたので、現実に引き戻された
顔を上げれば、口の端にケーキのクズをつけたシャチが皿を差し出している

「ケーキおかわりっ」
「ぷっ。相変わらずシャチは子どもみたいね?」
「は?なんでだよ」
「ちょっとじっとして」

子ども扱いされたことにシャチが憤慨しかけたのを、制すると手を伸ばす
シャチの頬についたケーキのくずを指先に取ると、なんの躊躇いもなく自分の口に含んだ

「…は?」
「なに?付いてたから取ってあげたんでしょ」

何故かぽかんと放心しているシャチに、首を傾げて見せると視界の隅で何かが素早く動いた
振り向くと、愛刀を引き抜いたローの姿を目に留める

「ちょっ、ロー?!」
「…なんだ」
「なんで鬼哭抜いてるの!物騒だからしまってよ」
「いやお前のせいだよ!」

この室内で大太刀を振り回されれば、一たまりもない
そもそも何故愛刀を鞘から抜いたのかがセナには分からずにいた
分かっていない幼馴染にペンギンが思わずツッコミを入れる

「お前がちょっかいかけたから!」
「ちょっかいって…くず取ってあげただけじゃない」
「問題はその後だ!!」
「言い訳はシャチをバラしてから聞いてやる」
「俺とばっちりじゃないスか!!」
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