学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第2章 聖夜のシンデレラ(*)
「あの2人は特別よ………あ、」
「ほう…それはどういう特別なんだ?」
ローの顔から一瞬にして表情が消えた。セナは自分の失言に思わず口を覆った
セナを溺愛している彼にとって、それは非常に聞き捨てならないセリフである
言った本人は地雷を踏んでしまったことに後悔するも、時すでに遅し…いつの間に移動したのか目の前にいたローに静かに見下ろされていた
「あいつらは、そんなに特別か」
「幼馴染だもの。確かに特別だけど…ローが考えてるような特別じゃないの、分かってるでしょ?」
シャチとペンギンは、ほぼ生まれた時から一緒に居る
言ってしまえば兄弟のようなものだ
それはローも十分に分かっているはず
するとトレイを持つ手に、冷たくて大きな手が重ねられる
「ロー?」
「情けねェとは思うが…」
ボソボソと言いにくそうに話すローの言葉を、セナはただジッと待つ
重なる手は、震えているように感じた
「…お前だけは、失いたく…ない、」
「大丈夫よ?私はローの側に居る」
「ああ、そうだな」
重ねた手にギュッと力が込められたので、微笑みかけると優しく微笑み返されて安心する
「ローの手冷たいよ?二階に先行ってて、飲み物淹れなおして行くから」
「悪い、手間取らせる」
「気にしないで。コタツあるから、ちゃんと入っててね」
そう言い残して、セナが再びキッチンへと消えたのを見送りローは二階へと上がる
ガチャリ
「セナ遅かっ…会長?!」
「何してンすか、アンタ!ここで!」
「うるせェ、静かにしろ」
飲み物を淹れに行った幼馴染が帰ってくるはずが、2人は中学からの先輩であるローが入ってきたことにプチパニックを起こしている
「寄れ、入らせろ」
「あ、俺のポジショn「あ?なんか言ったか」…いいえ、何も言ってません」
「お待たせ〜」
「セナ!お前なんで会長呼んだんだよ?!」
「呼んでないよ?さっき下に居たの」
「不法侵入?!」
「人聞き悪いこと言ってんじゃねェぞ、ペンギン」
温め直した飲み物と、焼いてあったケーキを持って上がってくるとシクシクと嘆いている幼馴染の2人
「会長に会えるのは嬉しいけど、今じゃない」
「休みに会えるなんてラッキーだけど、今じゃないよな」
「気持ち悪ィんだよ、お前ら…」
「ふふ、ローってば愛されてるなぁ」