学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第1章 10/31の文化祭(*)
しかし向かい合うナミの肩越しには、既に全校生徒が集められていた
皆一様に此方を見て、生徒会長の登場を待ちわびている
「はぁ…うぜェ」
先ほど生徒会室でセナがキッドから受け取った紙を奪い取り、ザッと目を通す
「おいセナ。行くぞ」
「え、なんで私も」
「いいから来い」
ローは肩に添えていた手で腕を掴み、煌びやかなステージへと歩みを進めてゆく
引っ張られるままに、セナもステージへ上がった
「今年の文化祭コンテスト優勝クラスを発表する」
実行委員からマイクを受け取り、ローが渋々といった様子で進行を始める
ステージ下の生徒たちは、一斉に色めき立ち歓声を上げた
「展示部門優勝は1-A、出し物部門の優勝2-D、模擬店部門優勝は1-Cとなる。各代表は前へ」
「えっ、1-C?!」
「お前見てなかったのか」
「だってなんか見ちゃいけない気がして」
キッドから渡された書類は、本来ローに渡されるべき物だったため何と無く見るのは躊躇われてしまいセナ自身でその内容を確かめてはいなかったのだ
まさか本当に自分のクラスが表彰されるとは、思ってもみなかった
「だから連れてきたんだよ」
「あ、そういうことだったのね」
どうせ表彰されて呼ばれるのだから、さっさと連れてきてしまおうということか
きっとそれだけが理由ではないのだろうけど
先ほどから、掴まれた腕が離される気配がない
ただ離したくないのか、それとも表彰されるからなのか…どちらが先に立った理由かは分からないが
一見奇妙な光景も、この学園では現生徒会では慣れたものだと全校生徒は気にも留めなくなった
一部の熱狂的な親衛隊を除いては、だが
そんなやり取りをしている間に、各クラスの代表がステージに出揃っていた
1-Aは先陣切って展示の製作をしたらしいウソップが代表に、2-Dの代表はルフィだったのだが食堂から戻らない為ゾロが代わりに立たされている
1-Cの代表はローの独断でセナとなってしまってはいるが、本来はナミが出てくるところだろう
「大丈夫大丈夫。セナなら賞金持って逃げるワケないから」
ナミはサラリと言い切り、にこやかに代表の座を譲り渡した
こうして各クラスの代表が揃ったところで、ローから金一封とトロフィーが渡される
しかし、未だセナの腕は掴まれたままだ