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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第4章 姫始めは初詣のあとで(*)



「セナ〜、おみくじどうだった?今から出店見て回らない?」
「!ナミ!!行く!あと聞いて、私ね…あっ、」

ふわりとはにかんだセナの背後から、ようやくおみくじを引き終えたらしいナミが声を掛けた
勢いよく振り返ると、嬉々としてナミの手を取り目的の方向へと手を引こうとして一瞬足を止める

「?どうしたの」
「あ、えっと…その、ロー「俺は気にしなくていい、行ってこい」…!ありがとう!!行こう、ナミ」
「はいはい、アンタ私の手を引いたままコケないでよ?」

意気揚々と手を引いて歩き出すセナの勢いに、呆れ気味のナミは肩を竦めながら雑踏の中に姿を消した
2人の後ろ姿を見送って、ローは大きく溜息を零す

「えらく寛大じゃねェの」
「うるせェ。バラされてェのか」

しゃがみ込んで天を仰いだローの隣で、キッドも同じようにしゃがみ込み澄んだ青空を見上げた

「…?なんでテメェまで座ってんだユースタス屋」
「胸くそ悪ィが…まァ、テメェとセリフが被るのと同じ理由かもな」

つまり同じ事を考えていると言いたいのか、敢えてそれ以上言及はせずローも再び空を仰ぎ見る
キッドとはセナの隣に居る関係性は違えど、彼女を想う気持ちにはきっと通ずるモノがあるのだろうと…思うことがあった

「チッ、胸くそ悪ィ…」
「だからそう言ってんだろ」

忌々しげに舌打ちをして、地面に視線を落とす

キッドに対して思うことはある、しかしそれを受け入れるかはまた別の話だ
一息吐いて、顔を上げれば人だかりに目をやる
ひときわ目立つ髪色の友人達に囲まれて、楽しそうにしている様子のセナの姿が目につく

友人達の前でどこか幼げでな笑みを浮かべている彼女が、数時間前までは自分の腕の中で艶やかな表情をして声を上げていた
自分だけ、自分しか知らないセナの姿

思い起こすだけで、全身に熱が灯る

「チッ」
「まだ怒ってんのかよ!しつこい野郎だな?!」
「違ェ」

無意識に何度目かの舌打ちをしたことで、未だ隣に肩を並べて居たキッドが忌々しげにローの方へ顔を向けた
するとローは咄嗟に口元を覆い隠し反対側に顔を背ける

「何してんだテメェ」
「別にいいだろ。テメェには関係ねェよ」

もごもごとバツが悪そうに話すローが、なんとなく居た堪れなさに立ち上がった

『今思い出すモンじゃねェな』
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