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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第4章 姫始めは初詣のあとで(*)



セナは知らない
付き合う女に対して、甲斐甲斐しく髪に触れたことなどローは一度もないということを

いい雰囲気だったのを邪魔されて
本当はあの時、もっと触れていたかったのに


仲間たちと出掛けることが、楽しみで仕方がない様子が目に見えてしまって
それでも彼女に少しでも触れたくて、手を伸ばした

「どうしようもないのは、こっちの方だ」
「??」

「まァ…慣れてるのは、ラミの手伝いをよくさせられていたからだろうな」

ボソリと呟いた言葉は聞こえていないようだ
続けてセナもよく知る妹の名を挙げれば、悲しそうだった表情も空気も一瞬にして消えたのが分かる

「そう、なの…」
「ニヤけてんじゃねェ」
「ふふ、優しいお兄ちゃんだもんね。ローは」

ごく至近距離で、視線が交わる
どこか嬉しそうに笑うセナに、ローも優しく目を細めた


「完全に2人の世界だなァ」
「いいよなァ、恋人同士ってェのは」
「!!!」

大木に凭れかかりながら、微苦笑を浮かべているサボと。その傍らでしゃがみ込み、ニヤニヤと2人を見ているエース

「サ、サボ先生!エース先生もっ!どこから見てたんですか?!」
「「や、見てたっつーか…見せられてたんだけどな。俺ら全員」」


2人の言葉に慌てて周囲を見回したセナは、呆れ顔の仲間たちに終始見守られていたことを知り真っ赤になる

「何いまさら照れてんのよ。2人だけでどっか行っちゃうのなんて、いつものことじゃない」
「どっか行っちゃうって…」

「何言ってんだナミ。セナもトラ男も此処に居るじゃねェか」

出店に並ぶ食べ物を一通り手にしたルフィが、一か所に集まる仲間たちの輪へと戻ってくるなり不思議そうに首を傾げた

「おいルフィ、ンなことはどうでもいいからさっさと食え」
「なァ、ゾロさんよォ。なんで俺までルフィのメシ持ってんだ」

ルフィの背後で、同じように食べ物を持ったゾロとサンジがいつもの言い合いを始める

「俺はあっちで荷物持ちを探してるらしい、つっただけだ。勝手に勘違いしたのはテメェじゃねェか」
「明らかにナミさんたちの方指してたよなァ!それがなんで、テメェに引っ張られたと思ったら全くの逆方向でルフィの飯番させられてんだ?!」

2人の言い合いは、いつの間にか手にした料理を落さぬよう器用に攻防戦まで発展していた
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