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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第4章 姫始めは初詣のあとで(*)



ローは腕の中で未だ憤慨しているセナの身体を力強く抱きしめる
するとそうしてレイリーに向けられた真剣な声音と表情を目の当たりにしたからか、腕の中の動きが大人しくなった

「モテた方が嬉しいんじゃないの??」
「あ?どういう意味だ」
「いやだって…そういうものでしょ。男の人って」

大人しくなったかと思えば、ぐりんと首を傾げてローを見上げる
そんなセナの言動に不機嫌をあからさまにして聞き返すと、何ともないように至極不思議そうな顔をして更に首を傾げた

「ククク…ハッハッハッハッ!!」
「「?!!」」

その様子にレイリーは笑みを深くすると、天を仰ぎ豪快に笑い声を上げる
そのことに仲間内の生徒や教師陣はもちろん、付近をすれ違うただの通行人までもが不思議そうにレイリーを見つめていた

不機嫌なローも、首を傾げるセナも突然のことにポカンとしてしまっている
それでも構わずひとしきり笑い続けると、満足したのか再び精悍な顔立ちがローを見据えた。先ほどとは打って変わって、真剣な表情で

「いや、君も…苦労するな」
「…どういうことだ」
「フ、分からないのならそれでいい」

見据えているのはローのようで、その背後のようでもある
そこには1人の男が立っていたのだが、一瞬だけ視線を向けた直後に姿を消してしまう

レイリーは少しだけ目を細めて一度かぶりを振ると、いつものような笑みを浮かべた

「さておみくじでも引こうじゃないか。その為に彼の元へ来たんだろう?」
「そうでした!え、なんで分かったんですか?」
「おみくじの前で、君と居た女の子たちが待っているからね」

ツイと指を向けた方には、ほんの数分前まで共に行動をしていたナミ達が此方を見て何かを訴えている
大方一部始終を見られていて、色々と心配をかけたのだろう
それとも単なる待ちぼうけを食らわされた文句だろうか

「ローもおみくじ引くでしょ?行こっ!」
「おい、走るな!またコケるぞ」
「さっきもコケてません!レイさんが助けてくれたんだから」
「助けられなかったらコケてただろうが」

セナは腕の中からするりと抜け出て、行き場をなくしたローの手を掴み急くように走り出そうとする
おみくじ売り場に辿り着く間に言い争っていれば、到着すると同時にナミからげんこつをお見舞いされた。2人揃って

「なんで俺まで…」
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