学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第4章 姫始めは初詣のあとで(*)
「シャ、シャチたちの声?!ど、どうし…」
「無視しろ。続け「ルフィ、アンタあの窓まで行けるわよね?」………ハァ」
慌てふためくセナを余所に、ローは突然の訪問者たちに完全居留守を決め込もうとしたのだが
外野の不穏な会話が聞こえてきたために、どうしたって行為を中断せざるを得なくなってしまう
ガララッ
「んあ?窓開いたぞ!」
「なんだ、起きてんじゃねェか」
「ってか何で裸なんだよ。見てるこっちがクソ寒ィ」
「…何か用か」
閑静な住宅街にあるセナの家の前に、結構な人数の海楼学園の学生・教師たちが群がっていた
皆一様に煌びやかな和服を身に纏い、窓辺に登場したローを見上げる
「キャプテン、あけおめー!オレたち、新年の挨拶に来たんだよ」
つぶらな瞳の白熊ベポが、ド派手なオレンジ色の袴を着てローに手を振った
するとその声にいち早く反応を示したのは、毛布を全身に被ったセナ
窓枠に身を乗り出し、大はしゃぎでベポに手を振る
「ベポくんの声がしたッ!」
「あ、セナもあけおめ〜!」
「あけましておめでとー!って、わわわ!!」
ベポの挨拶に興奮のあまり身を乗り出し過ぎて、窓枠から滑り落ちそうになったところをローに間一髪で助けられた
「ったく、落ち着けバカ」
「ごめん、ありがと……」
「ゴファッ、セナちゃ……ッッッ」
「え、サンジさん?!」
どうにか転落からの流血事故にはならずに済んだと胸を撫で下ろした矢先、サンジが鼻血を噴き上げ卒倒する
ローに支えられたままのセナが、何事かと目を丸くしていると何故か痛いほどの視線を感じた
向けられる視線の先を辿って、そのまま自分の身体を見下ろす
「ひぇ…!?」
視界に捉えたのは、自分の肩から胸元まで露わになった素肌と無数に散らばる紅い痕。セナはなんとも言えず変な声が出てしまった
どうやら落ちそうになった拍子に、被っていた毛布がはだけていたようだ
ちなみにローは背後からセナの身体を支えていたため、やはり気づかなかったらしい
「………ッチ」
ピシャンッ
赤くなったり青くなったりと慌てふためくセナの背後で、ローの表情が怒りに歪む
それと同時にサッシが歪みそうなほどの力で、窓が勢いよく閉められた
「なんでベッドに戻ってるの?!」