学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第1章 10/31の文化祭(*)
半ば脅すような声音と、射るような視線に一瞬言葉を詰まらせてしまう
ただ単に怖いだとかそういうことではなく、この女は"恐ろしい"と知っているからだろうか
「そんなに嫌なら、アンタが店に来て上客になればいいんじゃない?」
何かを企んだような笑みで、含みをもたせながら肩を叩いてくるナミの言葉に少し苛立つ
金銭が絡んでくると、彼女の右に出るものは居ないと知っているローは頭を痛めた
そんな2人の様子を見ていたセナは、なんとも言えないモヤモヤとした感情が胸に巣食う感覚に見舞われて首を傾げる
そんなどことなくソワソワと不安そうな表情を浮かべているセナの頭を、隣に立っていたサンジがそっと撫でてやると
「!なん、ですか…?」
「ああ、びっくりさせたかな?なんだか、泣きそうに見えたから」
「な、泣いてませんよっ」
「ならいいんだけど」
ニッコリと笑いながら、それでもよしよしと頭を撫で続けるサンジに、思わず赤くなりそうな頰を両手で隠すように押さえた
直後、腹に何かが当たったと思えば身体ごと引き寄せられてしまう
「黒足屋っ、セナに触んじゃねェ」
腕の中にセナを引き寄せたローはサンジに睨みを効かせながら、愛しい存在を離すまいと力を込めた
「ちょっと、ロー…!」
「お前も、簡単に触られんじゃねェといつも言ってんだろうが!」
「そんなこと言ったら、ローだってナミと何か話して…」
「ちょっとそこのバカップル。私たちを巻き込むのやめてくれない?」
ごく至近距離で喧嘩を始めようとするローとセナに、呆れた様子でナミが止めに入った
「バカップルじゃないし!」
「どー見てもバカップルでしょ」
「自覚ないのかセナちゃん…」
「サンジさんまで!」
真っ赤になってしまったセナがワタワタと腕の中から逃れようとするが、ローがそれを許すはずもない
むしろ更に力を込められてしまう
「取り敢えず日も暮れたし、今日はお開きにしようか」
「そうね、料理の件だけで準備は整うから…サンジくんとセナに任せるわ」
「ナミさんのご命令とあらば、命にかけても最高のモノにしまっす!」
「頼りにしてるわ、サンジくん」
「はぁぁ〜ナミさんとうとう、俺に惚れて「さぁ帰りましょうか!」お荷物お持ちしまァ〜っす!」
文化祭まであと10日…