学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第1章 10/31の文化祭(*)
自分はこういう性格だが、ローという男は主に女性の言動に気を遣ったりすることはなかった
自分も勝手をする代わりに、我関せずといったところだ
ガララッ
「やっぱり此処に居たか…」
「あれっ、ローどうしたの?」
だからこうしてわざわざ女性を探しに来たり
「テメェは毎度毎度電話にも出やしねェ…携帯の意味あんのか!ったく…」
「わぁ…履歴全部ローになってる」
「引くな、バカ。お前のせいだろうが」
「いやいや普通引くでしょ」
その行動をとやかく言ったり、何度も着信を残したりなんて…
「ありえねェ」
「!ほら、サンジさんも引くって!」
「黒足屋、テメェ…寝返る気か!」
「意味分かんねーよッ!てか俺を巻き込むなッ」
色々と考えていたところで、いつの間にか痴話喧嘩に巻き込まれていて思わずツッコんだ
「もう遅いんだ、帰るぞ」
「私もうちょっとサンジさんと試作を…!」
「オイ、俺より黒足屋を選ぶとは…覚悟は出来てんだろうな?」
「だから先に帰っててって…!」
「そうじゃねェ、他の男と2人きりになんてさせられるわけないだろう!」
「待て待て、ならテメェが此処で一緒に待ってりゃいいだろーが」
セナのことになると途端に判断が鈍ってしまうローに、慌ててサンジが普通に提案を持ち掛ける
実際問題、文化祭まで時間はあまりないのだ
「大体、黒足屋は2年だろう。それにセナは料理の担当じゃないと聞いたが?」
「別にダメじゃないからいいでしょ!私は当日接客だけど、サンジさんだけに負担掛けられないもの」
せめて休憩時間などは、交代できるようにしておきたい
料理に慣れない生徒もいるので、そこがカバーできるのなら越したことはないのだ
「…そういえば、お前は模擬店の趣旨、分かっていて接客をするつもりなのか?」
「趣旨って…ただのカフェでしょ?」
たかだか高校生の模擬店に趣旨もなにも無いだろうと首を傾げると、ローが重く息を吐く
「1-Cのクラスは確かに喫茶店だが、ただの「ト~~ラ~~男~~~??何話してるのかしら?」…チッ来やがったな」
ローの背後からひょっこりと顔を出したのは、数時間前に別れたはずのナミ
笑顔を浮かべながら、2人から見えない位置でローを抓る
「!」
「?どうし「なんでもないわよ。ね、トラ男?」
「ッ貴様…!」
「何も言うことないわよ、ねぇ?」