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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第3章 年越しそばと姫納め(*)



「怒鳴ってごめんね?…冷めないうちに、食べよ!」
「そうだな」

器をトレイに乗せて、ダイニングテーブルまで運ぶと2人肩を並べて席に着いた

「「いただきます」」

手を合わせて、ホカホカと湯気を上げる年越しそばを啜る

「ん、美味い」
「ホント?」
「嘘つくわけねェだろ」
「伸びてもいいとか言ってたクセに」

チクリと先ほどの話を掘り返すと、バツが悪そうにローの眉間にシワが一つ刻まれた
それを見てセナはクスクスと笑いを堪える

「ふふ、ごめんごめん。ありがとう」
「…いや、元はといえば俺が悪かったからな。今食えて、良かった」
「でしょ?」
「ああ」

ニッコリと得意げに笑ったセナに、ローはフッと笑みをこぼした
そして2人で顔を見合わせて笑い合う

そうして賑やかなテレビ番組をBGMに、あっという間に器は空っぽに
早速器を下げようと立ち上がるセナをローは制した

「これくらい俺が洗う。座ってろ」
「え、でも」
「先に風呂でも入ってこい」

セナの手元から器を奪い取ると、ローはキッチンに向かいシンクで食器を洗い始める
しかしあくまでも客人であるローに、食器を洗ってもらうことに抵抗があるのかセナは戸惑い気味にその場から動けない

「先に入らねェなら、一緒に入るか?」
「いや、その」
「言っておくが、これが終われば次はお前の番だからな…セナ」

一旦水道を止めると、ローは顔を上げて動かないセナを見据えてニヤリと口角をつり上げた

「風呂で襲って欲しいなら、俺は別に構わねェが」
「襲っ…!1人で入ります!!」
「ククッ、そりゃァ残念だ」
「もう!ローのバカ!変態!!」

顔を真っ赤にしたセナは頭から湯気が出そうなほど怒りを露わにしつつ、そう言い残すとリビングから出て行く
暫くすると、浴室の方から音が聞こえてきたのでローは洗い物を再開する

カチャカチャと少ない食器をすすぎ洗いながら、顔が緩むのを抑えられない
けれど隠す必要もないと、開き直って笑みを浮かべた

ローが俗物的な物言いをするとセナはよく変態だと怒る。けれどそうさせているのは彼女自身だと自覚がないらしい

それだけセナが愛おしくて堪らない、本当はひと時も離れるのが惜しいほどだというのに
彼女はいつでもローを翻弄する
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