学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第3章 年越しそばと姫納め(*)
「…ハァ」
もはや煩悩の塊のようなことしか脳裏には浮かばない
流石に自分の思考が危険だと判断した。セナを見ていると、禁断症状でも発症するのではないかと思う
自制するために、面白いとは思わないテレビに向き合うことにしたが、どうにも集中できない
そして結局
「俺も何か手伝わせろ」
「えっ、どうしたの?」
シャツの袖を捲りながら、ローはキッチンへ乱入していく
セナが側に居ないと落ち着かないので、無理やり側に居ることにしたらしい
「手伝うって言われても、もう少しで出来るよ?」
「何かねェのか」
「ええ…そうだなぁ」
どうしてもキッチンから出て行くことを拒むローに、セナは困った表情を浮かべて何かしてもらえることを考える
しかし蕎麦はもう炊き上がり、後は器に盛るだけで…
「あ、そうだ」
「なんだ」
「器をね取って欲しいの。私じゃ届かなくて」
事前に出しておくよう頼んだ父は、そんなことをすっかり忘れて帰省してしまっていたので、困っていたのだ
セナからは辛うじて下段が見えるくらいの、吊り戸棚の一番上の段に、汁物用の塗りの器が入っていたはず
ローの身長だと、余裕で届くだろう
「お願いしてもいい?」
「ああ」
ローは戸棚を開けて、中を覗き込むと確かに奥の方に装飾が施された塗りの器を見つけた
それを二つ手に取ると、下で待つセナに手渡す
「これでいいのか」
「うん!ありがとう!」
「こんなモンお安い御用だ。他は要るもんねェのか」
「もう大丈夫だよ」
器を受け取り、作業台に並べると蕎麦を盛る
出汁をかけて、天ぷらを乗せて、かまぼこと薬味と……
その一部始終を、ローは隣でずっと見守っていた
セナは特別なことをしているわけでもないので、何だか気恥ずかしく感じてしまう
「…座ってて、いいよ?」
「邪魔か?」
「邪魔じゃないけど!なんか、その…見られてると、恥ずかしいっていうか…」
ごにょごにょと話しながら俯いてしまったセナの肩を、ローは抱き寄せた
「?ロー?」
「……可愛い」
「へっ?!」
「だからもっと見せろ」
チュッと耳元に口づけ、甘く囁くと密着した肌からセナの鼓動が速まったのが分かる
そのまま首筋を辿るように唇を這わせて、晒されたうなじに辿り着いた
ねっとりと、舌を這わせる