学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第3章 年越しそばと姫納め(*)
確かに、いつも笑顔を見せていたのは不特定多数の中だった
怒ったり泣いたりすることもなく、ただ笑ってる人間…それが周囲のセナへの印象
ただ誰もそのことに対して、文句を言うことなどなかった
「ああ、そうだ。俺の前では、お前らしく居ればいい」
「私らしく…」
そんなこと、考えたことない
人の前では、絶対に本当の自分なんてさらけ出せない
実は怒りっぽいところも、案外泣き虫なことも…
けれど、ローはそれを知りたいという。寧ろ自分だけに見せろと命令までしてくる
「いいの?本当に、本当の私を見せても」
「まァ、だいたい知ってるけどな…短気で涙腺が緩い」
「そんな私を見ても、これからも、嫌いになったりしない?」
「しねェな」
きっぱりと言い切られた。それがなんだか嬉しくて、こそばくて口元が緩むのを止められない
迷わず抱きつき、その胸に飛び込んだ
「?どうした」
「んー…」
ぐりぐりと、鍛え上げられた胸板に擦り寄る
すると後頭部に優しく指を差し込まれ、髪先を弄ぶように撫でられた
少しくすぐったくて、身をよじると思わず鼻から抜けた声が出る
「んっ、」
「フッ…なんだ、感じるのか?」
「ちがっ…!ローの変態!」
セナはガバッと顔を上げて、睨みつけようとしたけれど出来なかった
自分を見つめるローの瞳が、あまりにも優しく愛おしげだったから
「…ああ、もうっ」
「だからどうした。エロくなったり怒ったり」
「エロ…いのは、ローにだけ、だもん」
突然の発言に、ローは目を見開き言葉に詰まる
だからどうして、この愛しい彼女はちょこちょこ爆弾を落としてくるのか
「へェ…俺にだけ」
「当たり前でしょ!」
「なら確かめさせろ」
「はい?!」
何を言い出すのかと、思わずセナは距離を置いたのだが、逆にじりじりとにじり寄られ壁に追い詰められる
「ほ、本気…?」
「俺はいつでも本気だ」
「いや、あの…お風呂とか、ご飯とか」
「それよりも、俺にだけエロくなるセナが食いてェ」
「ひぁ…!」
壁に追い詰められたまま、首筋に顔を埋められねっとりと舐め上げられれば、上擦った声が出てしまう
慌てて口を塞いだが、時すでに遅し…鼻がつくほどの距離にいたローがニヤリと笑った
「その気になったな?」
「なってない!なってないッ!」
「なら、その気にしてやるよ」