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学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)

第3章 年越しそばと姫納め(*)



不安を不満にすり替えて、おそるおそる顔を上げてみる
すると再び顔がコートに埋まってしまうほど、強く抱きしめられた

「わっ!…ロー?」
「…バーカ」
「はぁ?ッんん!」

悪口を言われたことに言い返そうとしたら、一瞬にして唇を塞がれる
文句を言おうと半開きにしていた唇から、容易く侵入してきた熱い舌に、口内を弄られてしまう

「ン、んぅ…ッふ、」
「…寂しかったに決まってんだろ、」
「ふ、ァッ」

暫く口内を堪能したあと、ようやく離れたローの唇が呟いた言葉に
ゾワッとした嬉しさや喜びやらが全身を支配して、なんだがむず痒い

「これで満足か」
「…でも、私の方が、もっともっと寂しかったし、もっともっともっと会いたかった」
「あのなァ…」
「どれだけ言っても足りないよ…ローで、ローの存在で私を満たして?」
「ッ」

抱きついたままこてん、と首を傾げる積極的な姿に、迷わず襲いかかろうとしたローの腕をセナは軽々とすり抜ける

「オイ…」
「へ?どしたの…あっ、寒いよね!上がって上がって!」
「……ハァァ」
「??ほんとに、どーしたの」
「なんでもねェ」

うな垂れたローの腕を引き、ダイニングへ行こうとするセナを恨めしげに見つめつつ
まだ夜は長い、と自分に言い聞かせてローも玄関を後にした

リビングダイニングのソファに腰かけたところで、そそくさとセナはキッチンへと消えてゆく
それが何だか気に食わなくて、面白くもない年末の特番を眺めていると背後から湯気の立つマグカップを差し出された

「コーヒー、ブラックで良かったよね」
「ああ、…サンキュ」
「?なんか機嫌悪い?」

ガラステーブルにローと自分のマグカップを置いて、隣に座ると横を向き、向き合う形になる

「別に悪くねェ」
「嘘。だって眉間のシワ一本増えてる」

心配そうに顔を覗き込みながら、眉間の辺りを伸ばすように撫でると、ローは嫌そうに顔を背けた

「なんでもねェつってんだろ」
「なんでそんなに機嫌悪いの。私何かした?」
「何かした自覚があんのか」
「…何もない、けど」

あからさまに拒絶の態度をとられたためか、シュンと落ち込んでしまったセナに、ローは心の中で溜息を吐く

マイナス思考に陥ったセナは本当に面倒くさい。全てのマイナス要素が打破されるまで、プラスには転じてくれない
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