第1章 Sunshine
長瀬「雅紀…さま。そろそろ出発してよろしいですか?」
雅「おっけぇ~!行っちゃって、長瀬せ…いや、長瀬っち」
長瀬さんがルームミラー越しに目配せをして出発した。
車内には先客がいた。
客って言ったら可笑しいな。俺たちの方が客だもんな、はは。
翔「おはよう。恵、潤」
恵「翔くん、おはようございます。かずくん、今日はおめでとうございます。頑張って下さいね」
潤「翔くん、かずくん、おはよう……ふぅ…」
「めぐちゃん、潤くん、おはよう。めぐちゃん、ありがとね。潤くん、辛そうだね?また頭痛?」
潤「……うん…。最近は貧血っぽいのもある…」
翔くんが潤くんの隣に座っておでこに手を宛てた。
翔「大丈夫か?潤は直ぐに熱が出るから…うん。今日は出てないみたいだな。良かった」
潤「翔くん、……ありがとう…」
翔くんが潤くんを自分の膝の上に寝かせた。
潤くんが「重いから……」って起き上がろうとするのを翔くんが頭に手を置いて制止した。
潤くんは抵抗を諦めてソッと目を閉じた。
いいなあ~。
俺も翔くんに膝枕されたい。
潤くんは耳まで真っ赤になってる。
翔「潤。顔が赤いな。熱出てきたか?」
潤「…うん?……大丈夫…だよ…ふぅ…ふぅ…」
潤くんが深呼吸をして、落ち着かせようとしてる。
潤くんも翔くんのことが好きだからね。
俺のライバル、多いんだ。