第1章 Sunshine
雅「ああっ!」
車に乗ろうと歩き出した刹那
「なに雅紀?どうした?」
雅紀が急に大きな声を出すから、俺の隣に立ってる翔くんも驚いて固まってしまってる。
雅紀が俺の前に腕組をして立ち塞がった。
「なんだよ?」
雅「かず。また雅紀って呼びすてにしたあー!」
「あ?」
雅「俺っち先輩だぞー!ちゃんと雅紀さんって呼びな!ぷんぷんっ!」
「は?なにを今更…。子供の時から呼びすてなんだからいいだろ?別に…。つうかさ、“ぷんぷん”って、なんだよ?アホか?」
雅紀が益々頬を膨らませて
雅「もう!かず、乗せなーい!翔ちゃん行こう!」
翔「えっ?ちょっと、雅紀?!…かず、おいで!」
雅紀が翔くんの手をぐいっと引っ張って車に乗り、翔くんが俺の手を掴んで車に乗せてくれた。
雅「ああっ!翔ちゃん、どうして~?」
翔くんが雅紀の頭をコツンとゲンコツした。
もっと、バシッとしてもいいのに…。
翔くん、優しすぎ!
翔「雅紀。意地悪はダメだよ。今日はかずの晴れの舞台なんだからさ。仲良くしてよ。お願いします」
翔くんが雅紀に向かって深々と頭を下げた。
翔くんって時々すごく真面目過ぎるんだよな。
雅「わかったよう~。翔ちゃんに免じて許すよ…。でも、今日から会社ではちゃんとさん付けで呼べよ、な?」
「わかった。会社では、な?」