第4章 Cry
唇を離すと潤の口端から唾液が溢れ落ちた。
それを舐め拭き取った。
潤「んっ…ふぅ…侑李、また…ふぅ…間違えてる、よ?」
その言葉に、身体がピクリッと揺れる。
「あ?ああ、そうだった。『恵』って言わないとだな?」
潤「そうだよ…ふぅ…ふぅ…」
潤が指先をきゅっと絡めてきた。
潤「侑李…ふぅ…ふぅ…」
潤が絡めてきた指をぎゅっと握った。
「なに?」
潤「もう…ふぅ…言えそう?…ふぅ…」
「う、ん…、そ…だな。多分…」
口ごもる俺に潤が眉間にシワを寄せる。
潤「もお…ふぅ…早く、言わないと…誰かに…盗られるよ…ふぅ…」
潤の隣に横たわりながら無言で頷く。
潤…。俺が…愛してるのは恵じゃない。
お前だよ、潤…。