第1章 Sunshine
家の前には金持ちの定番のロールスロイスが停まっている。
その前には、雅紀の家のお抱えの運転手が立っている。
なんて、場違いな…⁉
俺の家は、築50年以上のサ〇エさん一家が住んでるような日本家屋だよ⁉
雅紀が運転手に声をかけると、恭しく車のドアを開けてくれた。
こういうの見ると、“お坊ちゃま”なんだなって思うよ。
「雅紀。俺は、こんな車じゃなくても良かったんだよ?」
雅「今日はかずの社会人デビュー日だろ?お父さんがお祝いだって言って用意してくれたんだ。普段はお父さん専用だよ、この車」
「あ、そうなんだ…」
おじさんにお礼しないとな。
翔くんが運転手にペコリと頭を下げて
翔「おはようございます、先輩。今日は弟の為にありがとうございます。それにしても先輩。お久しぶりですね?」
「ん?翔くん知りあい?」
雅「うん。長瀬っちはね~、俺らの部活の先輩だったのさ~。長野さんが退職したから俺が誘ったんだあ。ねぇ~♪」
雅紀が長瀬さんの肩に腕を回してニコニコしている。
翔くんに聞いたのに何故か雅紀が答えてるし…。
ていうか、長瀬さん。
貴方、雅紀と肩組んでニヤついてますけど…それ、雇われ運転手として大丈夫なの?