第1章 Sunshine
母「おはよう。和也、今日はごめんね?急に一人休むことになったから仕事に出なきゃいけなくなったのよー」
母さんがエプロンを外しながら、俺に謝ってくる。
母さんには悪いけど、俺は翔くんが居るから別にどうでもよかった。
「うん、いいよ。仕事なら、仕方ないでしょ?気にしないでいいからさ」
母「和也…。もう立派な社会人ね?母さん、嬉しいわ。それじゃ、先に出るわね。雅紀くんにもちゃんとありがとうって言うのよー。いってきまーす」
バタバタと用意して出ていった。
まったくさー。母さんってば、いつまでも俺を子供扱いしてさー。
俺が5歳のとき、父さんと離婚してからずっと、俺たちを一人で育ててくれた。
感謝はしてるんだよ?
ただ、俺が感情を表に出すのが得意じゃないってだけで。
翔くんが、よそってくれたご飯と味噌汁。そして、固めに焼いた目玉焼き。
これがわが家の定番朝食。
今日は納豆が追加されてる。
翔くんと向かい合って朝食を食べる。
翔くんは、食べるとき口のなかにたくさん溜め込んでから飲み込むんだ。
齧歯類みたいで可愛いんだよね。
食べ終わって、顔を洗って歯磨きしてるときに
雅「おはよーっ!」
バーンッと玄関扉が開く音がした。
その音にびっくりして、歯ブラシを落としてしまいそうになる。