第4章 Cry
叔父さんの家は必要最低限の物しかなくて、小ざっぱりとしていた。
叔父さんは一日のほとんどを一家と過ごしているから、俺はひとりで居ることが多く悠々自適の生活を送っていた。
俺が叔父さんのところに居候して2ヶ月経った頃。
磯貝「侑李。わたしが仕えている方々にね、君のことを話したんだ」
「ふーん。それで?」
磯貝「会いたいと言われてね。君、会ってみないかい?」
えぇっ?!金持ち一家に?
くそだりいな。
「うーん…」
磯貝「嫌かい?そうだよね…。実はね、姉さんに、『年取ってから産んだ子だからって甘やかし過ぎたから、貴方のいいようにして!』って言われててね。会うだけだよ?どうかな?」
母さん何なんだよ?!
うーん…とりあえず会うくらいは…いいか?
「わかったよ…。会うよ…」
週末。
俺は金持ち一家の家のリビングにいた。
だだっ広くて落ち着かない。
天井こんなに高くしなくてもいいんじゃね?
床、テッカテカしてんなあ…。
何で出来てんだろ?
リビングルームの中を彷徨き、飾ってある皿やら壺やらをここぞとばかりに触って回った。
こういうのって素手で触っていいんだっけ?
価値がわかんねえな…。
そんな事をしていたら、扉をノックする音がしてきた。