第3章 運命の出会い
『じ、冗談だろ?何だよあいつら』
『皆、武器を手にしていますね・・』
最早誰も疑う者はなく、室内は静まり返る
『な、なぁ・・あいつらの目的って、何だと思う?』
『普通に考えれば金品や食料だな』
『・・あとは、女だろ』
丸井の問いに答えた柳に続き、仁王も遠慮がちに口を開くと、柳生が仁王の名を呼び咎めるが、自身も分かっていた事だからと、柳生に微笑む
『今、この船は俺達以外の人間がいない、何故かは分からないが室内をモニターで調べた結果だ、間違いはない。』
『なら跡部どうすんの!?ここに隠れていてもいつかは見つかっちゃうよ!?』
『やっぱり戦おう』
『駄目だ、お前はここにいろ』
の言葉は跡部により切り捨てられる
理由は皆理解出来るだけに、誰も何も言わない
『ならどうするの!?ただ略奪されるのをジッと見ているつもり!?』
『・・助かる道が、無いわけでもない。』
『えっ?』
跡部の予想だにしない言葉に皆跡部に注目すると、跡部は室内に置かれた本棚に歩みより、一冊の本を手に取りパスコードを入力した、それは本に見せかけた小型の精密機械で、入力と同時に本棚が左右に開き、そこには30畳はある空間が実現したのだ
中は真っ白で何もないが、皆が入るには十分な広さがあった
『な、んだよこれ?』
『金庫だ』
『金庫!?』
『普通の金庫ではない、緊急避難用シェルターとして跡部財閥が新開発した、最新型の防犯システムを起用してある、この中に入れば例え大砲で撃ち抜かれようとも掠り傷もつかねぇ』
跡部の坦々とした説明に、唖然としているメンバーだったが最悪は間逃れると分かると急いで中に入り、跡部により扉がロックされる
『お、おい跡部・・この中に入ると外の状況が分からないんじゃ』
『当たり前だ、完全防音だからな』
『ならもし船が沈められたらどーすんだよ!?』
焦ったように跡部に詰め寄る向日と宍戸に、跡部は溜め息をつき室内の一角の壁を操作すると、壁だった場所に9台のモニターが出現する
そのモニターからは船内と外の様子が確認出来た
『こ、これって盗撮なんじゃ』
『緊急時だ、目を潰れ』
アッサリ言いのけた跡部だったが、このシステムがあれば外の状況も把握出来る
何だかんだ言いながら、やはり只者ではないと皆跡部に関心する中