第3章 運命の出会い
樺地は跡部の指令には絶対だとは分かっている、それでも皆が心配でならないが、無理矢理にでも飛び出そうとした時だった
再び船が何かにぶつかったように揺れると、バランスを崩したの体を樺地が支えた時、外から銃声が響いてきたのだ
『銃声・・ッやっぱり間違いない、樺地君!行かせてッ!』
『行かせません』
『お願い!私なら戦えるわッ!』
『駄目だ、お前は最上階迄避難しろ』
気づけば息を切らせながら跡部が此方へ歩みより腕を掴むなり部屋から引きずりだされる
は腕を無理矢理振りほどき、跡部を睨み付けると、跡部もまた睨み付けた
『今、この船には戦える人間はいない、奴らに対抗出来る戦力がない以上お前は隠れろ』
『ふざけないで!私は戦えるわ!』
『ふざけているのはお前だッ!奴らは海賊だぞ、女一人で何が出来る、銃声が聞こえなかったのか!?』
跡部に怒鳴られるなんて何年ぶりだろう
それだけ心配してくれているのは分かった、自分でも信じられる状況ではない
今の世に海賊船なんて
しかもこの船を狙い乗り込んで来た
と跡部の睨み合いも僅かな時間だった
立海メンバーが戻って来たのだ
『逃げろ!海賊が乗り込んで来たぞッ!』
『皆、無事だったのね、良かった・・』
立海メンバー皆が戻ると反対側から氷帝メンバーも駆け付ける、其々に状況を伝える余裕もないままに、揃って最上階の船長室迄移動すると皆が部屋に入った事を確認してから扉に鍵をかけた
『なぁ、いったい何が起きてんだ?』
『今から俺達が見た状況を説明するから良く聞いて』
幸村の言葉に皆頷くと、幸村は簡潔に纏め話し始める
『見た者もいると思うが、この船は今海賊に襲われている。人数は少なくても30人、皆拳銃やサーベルや刀を手にしているのを確認した』
『はぁ!?海賊って映画の撮影か?』
『違う、威嚇かは知らないが一発発射させ船体に穴を開けていた、本物の拳銃で間違いない』
自分の目で見ていない宍戸、鳳、忍足、向日の四人は疑る目を向けていたが、が四人に向かい自分の目で確認するのが一番だと説明されると、船長室からの覗き窓から海を見る
すると、客船にピッタリと横付けされたドクロマークの旗を掲げた船から次々と男達が乗り込む姿を目の当たりにする